だから今度は、私がきみを救う番







あれから、原くんとは毎日ラインでやりとりをして、三日に一度くらいのペースで会った。

カラオケにも行ったし、ボーリングにも行った。

ショッピングモールをぶらぶらしたり、河川敷や港に行ってただ喋ったりもした。



『台風六号は、沖縄本島の南側をゆっくりと北上しています』



なんとなくテレビを付けた朝、ニュースキャスターのお姉さんが台風情報を伝えていた。

こっちの空は晴れているけれど、風が強いみたいだ。



窓の外を見ると、街路樹の葉がゆらゆらと揺れている。

台風の進路予想図だと、明後日にはこっちに直撃の予定だ。



ぼんやりとニュース映像を眺めていると、ラインの通知音がピロンと鳴った。

私にラインを送ってくるのなんて、原くんかお姉ちゃんしかいない。



原くんでありますように。

そう願いながらスマホを開いて、ほっと安堵する。

原くんだ。


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