だから今度は、私がきみを救う番



どくん、と胸の奥がざわつくのが分かった。



ずっと気になっていたことだ。



四者面談におばあさんが来ていたこと。

河川敷で話したこと。

それから、タッくんという先輩の家に行ったときのこと。



『やんちゃしてるヤツらさ、みんな居場所を求めて彷徨ってるから。群がるの』

『結構あるよ、そういう家庭』



彼が過去に放った言葉たちが、頭の中でぐるぐると回る。

外では強い風が吹いているらしく、窓がガタガタと音を立てて揺れた。
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