だから今度は、私がきみを救う番
原くんの声が、震えているような気がした。
押し倒されたままぎゅっと抱きしめられて、原くんが私の肩に顔を埋める。
どきどきするというよりも、びっくりした。
彼がまるで母親に甘える子どものように、私を抱きしめてきたから。
「なんもしないから。亜季がいやがることはなんもしないから。今はこうさせてて。
今だけ。しばらく、ぎゅってさせて」
原くんの表情は見えない。
パサついた金髪が、私の顔に触れてくすぐったかった。