だから今度は、私がきみを救う番
「あれ、亜季ちゃん?」
着替えて更衣室から出たところで、聞きなれた声に呼びとめられた。
はっと顔を上げると、そこにいたのは学級委員の小笹さんだった。
「小笹さん!」
「亜季ちゃんちもここに来てたんだね。大丈夫だった? 雨、凄いよね」
「うん、ありがとう。小笹さんも大丈夫だった? 来る時橋渡ってきたけど、もう土手ギリギリまで来てたよ」
「見た見た! 凄かったねえ!」
いつも小笹さんが話しかけてくれる時は、あまり乗り気じゃない私だ。
けれども、この時は非日常の空間に興奮していたのか、すごく大きな声でぺらぺらと喋ってしまった。
自然と会話が弾む。
「亜季ちゃんさっき、車椅子のおばあちゃん連れてたでしょう? 大変だったね」
「あ、うん。おばあちゃん歩けないから。お父さんとお姉ちゃんがいて良かった。三人じゃないと無理だったと思う」
「そっか。うちもね、いるんだ。車椅子のおばあちゃん」
「そうなの!?」