だから今度は、私がきみを救う番
「あ、そうだ。さっきリミちゃんにも会ったよ」
リミちゃんとは、小笹さんといつも一緒にいる丸山さんのことだ。
どうやら、彼女もこの避難所に来ているらしい。
「リミちゃん、八人兄弟の長女なの。だから小さい弟さんや妹さん追いかけ回してて、大変そうだった」
「八人!? それは大変だね!? お年寄りの方がマシかも」
「だよね。絶対大変だよね」
小笹さんの視線の先に目を向けると、小さな子どもが数人走り回っているのが見えた。
「こらー! 静かにしなさい!」と言いながら、子どもたちを追いかけ回している丸山さんが見える。
その近くで、隣のクラスの男子がおじいさんの背中をさすっているのが見えた。
『高屋さ、自分が世界で一番可哀想だとか思ってない?』
いつか原くんが言った言葉を思い出す。