だから今度は、私がきみを救う番
ふたりがひとつに溶けて混ざってしまえばいいのに
お盆も過ぎた八月二十五日。
夜に吹く風は少し涼しくなってきたけれど、日中はまだまだ暑い日が続く。
隣の市にあるショッピングモールは、夏休みということもあり人でいっぱいだ。
フードコートにある椅子に座り、大好きなアイスクリームを口に含む。
今日は奮発してトリプル。
チョコレートの濃厚な甘さと、バニラのシンプルな甘さ、それから一番お気に入りのメロンのアイスクリーム。
それらが口の中で混ざり合って、絶妙なハーモニーを奏でる。
顔を上げると、向かいの席に座った原くんが、チョコアイスをスプーンで掬って口に運んでいるところだった。
「原くん、チョコレート好きだね」
「亜季はいっぱい食うんだな」