だから今度は、私がきみを救う番
「亜季がウサギちゃん持っててよ。そんで、『K』の方付けて」
「私がクマじゃなかったの?」
「だって、交換してた方がそばにいるみたいじゃん」
私、仙台には行かないって言ったのにな。
そんな、そばにいられないみたいな言い方しないでよ。
でも確かに、そばにいるみたいでいいなって思って、私はうんと頷いた。
フードコートに戻って、お互いのパーツを金具に取り付ける。
私はすぐに家の鍵につけて、原くんは鞄につけていた。
ふわふわのクマちゃんに、『A』のイニシャルパーツが揺れているのが目に入る。
原くんが私の分身を持っているみたいで、なんだか嬉しかった。
そして私が原くんの分身を持っているのも嬉しくって、顔がにやけそうになる。
鞄にしまいこんだウサギちゃんを、ゆるゆると撫でた。
なんだか原くんを撫でているみたいだ。