だから今度は、私がきみを救う番
原くんは、手を繋ぐのが好き。
原くんは、キスをするのが好き。
原くんは、ぎゅーってするのが好き。
原くんは、寂しがり屋。
原くんは、体温を確かめ合う行為が好き。
頬を背中に当てて、ぎゅーっとしがみついて。
川沿いを進んでる間ずっと、海が見えてきてもずっと、私はそうしていた。
どうか私の体温が、彼に届きますように。
伝わりますように。
潮風がふたりを包んで、ふたりがひとつに溶けて混ざってしまえばいいのに、なんて思った。