だから今度は、私がきみを救う番
群青
◇
原くんの自転車に乗って、私たちは前に一緒に花火をした旧港へとやって来た。
前は真っ暗な海だったけど、今日は違う。
目の前には鮮やかな紺碧が広がっている。
旧港の入り口に自転車をとめて、私たちは敷地の奥へと進んでいった。
ひび割れたコンクリートが続く道の先には、湾を囲うようにして防波堤が伸びている。
突き当たりにある小さな灯台のところまで歩いて、私たちは防波堤の上に腰を下ろした。
斜め下を向けば、すぐそばに海面が見える。
防波堤に沿うように並べられたテトラポッドの向こうに、少し濁った、あまり綺麗じゃない海水がさばさばと波打っていた。
真っ直ぐ顔を上げると、今度は目を疑うくらいの鮮やかな群青。
それが太陽の光を浴びて、きらきらと光っている。