だから今度は、私がきみを救う番
ずっと一緒にいられると思っていた。
永遠はあると思っていた。
ふたりを隔てるものなんて、なにもないと思ってた。
「亜季、海って世界中と繋がってるからさ」
原くんは、いつも唐突に話を変える。
私はそこに込められた意味なんて知らずに、今この瞬間に酔って、ただ頷いているだけだ。
「どこにいても一緒だよな」
彼の視線の先を私も見る。
地球の形が分かるほどの、ぼやけた水平線。
絵具を散らしたような、青、青、青。
白い雲。銀色に光る魚。鳥の群れ。太陽の光。
いつか見た花火のように、反射する光。
きみは、暗闇にいた私の前に現れた光。
私の行く先を照らしてくれる光なんだ。
彼の言葉の意味も分からずに、肩にもたれかかる。
いくつもの青に包まれて、ふたりいつまでも海を眺めていた。