だから今度は、私がきみを救う番
『ねえ亜季は、俺とずっと一緒にいてくれる?』
『急にいなくなったりしない?』
そう言ったのは、きみの方じゃないか。
なのに、どうして。
朝礼が終わった頃には、抜け殻のようにぼーっと自分の席に座っていた。
原くんのことが、頭の奥でぐるぐると回っていた。
胃の奥がきりきりと痛んで、目の前が白くなっていく。
「亜季ちゃん、大丈夫?」
はっと顔を上げると、小笹さんの顔がそこにあった。
教室を見回してもやっぱり彼の姿はなくって、クラスメイトたちがぞろぞろと体育館へ移動しているようだった。
これから二学期の始業式が始まる。
「ありがとう。大丈夫……」
そう返して立ち上がろうとしたけれど、胃がまたきりきりと痛み始めて、座り込むような姿勢になる。
額には汗が滲んでいた。
「亜季ちゃん!」
「ごめん……。やっぱ体調微妙みたい。保健室行くね」
「一緒に行こうか?」
「ううん。ありがとう。大丈夫……」