だから今度は、私がきみを救う番



どうして、急にいなくなったの?



私が救われたらさ、今度はきみの番だって思ってたんだよ。

私がきみを救う番だって。



なのに。

どうして何も言わずにいなくなっちゃうの?

どうして私には何も話してくれなかったの?

私って頼りないかな?



胃の痛みが激しくなって、私を襲ってくる。

窓の向こうから射し込む朝陽が眩しい。

ああ、もう九月なのに。

夏がまだ残った青空だ。



「亜季ちゃん!」



意識がそこでぷつんと途切れた。





会いたいよ、原くん。

ねえ、原くん。

どこにいるの?




原くんと手を繋いで、海を眺めている夢を見た。

夢の中で見た空と海は、この世のものとは思えないほど深くて綺麗な青だった。



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