だから今度は、私がきみを救う番
◇
目を覚ますと、白い天井が目に入った。
視線を横にずらすとクリーム色の仕切りカーテンが見えて、ここが保健室のベッドの上だと理解する。
身体を起こそうとしたら、胃の痛みがきりきりと私を襲ってきた。
「高屋さん、目覚めた?」
カーテンが少しだけ開いて、保健室の先生が顔を覗かせる。
意識が途切れる寸前のことを思い出して、同時に彼がもういないという現実も思い出した。
エアコンの風が、仕切りカーテンをゆらゆらと揺らす。
彼の色の抜けた髪が揺れるあの瞬間が好きだったなあなんて、またきみのことを思い出した。
「薬飲む?」
先生の言葉に頷き、痛み止めの錠剤を口に含んだ。
水を手渡され、二錠一気に飲み込む。
薬品っぽい匂いが少しだけ口の中に残って、私は顔をしかめた。
「もう少し休んでおきなさい」
「はい……」
先生のそう促されて、素直にベッドに潜った。
カーテンがきっちり閉められて、またひとりきりの空間に戻る。