だから今度は、私がきみを救う番



夏休みが終わる少し前、親父とお袋がおれに会いにきたんだ。



兄ちゃんがまた手術をすることになって、それには兄ちゃんの皮膚を他の場所に移植する必要があって。

でも、兄ちゃんの体ボロボロなの。

もう何回も手術してるからさ。



そこで、弟である俺の皮膚を移植したいって両親から言われた。

だから、仙台に来てほしいって。

ついでにそっちで暮らそうって。



何だよ今さら会いに来て、今さら呼んでって思ったよ。

俺のために会いに来たんじゃないのかよ、って。



でもさ、俺、兄ちゃんのこと大好きなんだ。

だから行くよ。

俺にしか出来ないことだからね。

頑張る。


< 197 / 220 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop