だから今度は、私がきみを救う番
夏休みが終わる少し前、親父とお袋がおれに会いにきたんだ。
兄ちゃんがまた手術をすることになって、それには兄ちゃんの皮膚を他の場所に移植する必要があって。
でも、兄ちゃんの体ボロボロなの。
もう何回も手術してるからさ。
そこで、弟である俺の皮膚を移植したいって両親から言われた。
だから、仙台に来てほしいって。
ついでにそっちで暮らそうって。
何だよ今さら会いに来て、今さら呼んでって思ったよ。
俺のために会いに来たんじゃないのかよ、って。
でもさ、俺、兄ちゃんのこと大好きなんだ。
だから行くよ。
俺にしか出来ないことだからね。
頑張る。