だから今度は、私がきみを救う番
考え事をしているうちに、いつの間にか眠りこけてしまったみたいで、あっという間に仙台駅への到着を告げるアナウンスが聞こえてきた。
急いで鞄にスマホを放り込み、私はホームへと降りる。
仙台駅に降り立つと、お母さんがホームで待っていてくれた。
隣には知らない男の人がいて、寄り添うようにして立っていた。
「亜季、よくひとりで来たね」
お母さんと会うのは、あの台風の前の日以来だ。
なんだか照れくさかったけど、お母さんはひょいっと私の荷物を持ち上げて、笑いかけてくれている。
お姉ちゃんのお下がりのスポーツバッグだ。
お母さんはバッグの肩紐を持ってよいしょ、と抱え直すと、隣にいる男性の方を見て口を開いた。
「この人が、この前話した人よ。前原さんっていうの」
「はじめまして前原です。亜季ちゃんよろしくね」
お母さんより十歳くらい若く見える、黒ぶち眼鏡のおじさんがそう言って頭を下げる。
母親の恋人というのがなんだか良い気持ちがしなくて、私は無愛想にお辞儀だけしておいた。
初対面で、『亜季ちゃん』と呼ぶのか、なんて思ってしまう自分がいる。
急いで鞄にスマホを放り込み、私はホームへと降りる。
仙台駅に降り立つと、お母さんがホームで待っていてくれた。
隣には知らない男の人がいて、寄り添うようにして立っていた。
「亜季、よくひとりで来たね」
お母さんと会うのは、あの台風の前の日以来だ。
なんだか照れくさかったけど、お母さんはひょいっと私の荷物を持ち上げて、笑いかけてくれている。
お姉ちゃんのお下がりのスポーツバッグだ。
お母さんはバッグの肩紐を持ってよいしょ、と抱え直すと、隣にいる男性の方を見て口を開いた。
「この人が、この前話した人よ。前原さんっていうの」
「はじめまして前原です。亜季ちゃんよろしくね」
お母さんより十歳くらい若く見える、黒ぶち眼鏡のおじさんがそう言って頭を下げる。
母親の恋人というのがなんだか良い気持ちがしなくて、私は無愛想にお辞儀だけしておいた。
初対面で、『亜季ちゃん』と呼ぶのか、なんて思ってしまう自分がいる。