だから今度は、私がきみを救う番
もう大丈夫



バスを乗り継いで、海までたどり着いた時には太陽の色がオレンジに変わっていた。

海の場所なんて知らなかったから、スマホで調べながら来たら、広い港に来てしまったんだけど。



私たちの住む街と比べると、すごく大きな港。

海にはビルのような豪華客船が停泊している。

それらを臨む公園へとたどり着き、私たちは海に近づいて行った。



「デカいな」



船を見上げて、原くんが言う。

私も「うん」と頷いた。



海面がすぐそこにあるコンクリートの上に、ふたりで腰を下ろす。

夕焼けに染まった海は、オレンジ色に光っている。

あの時の群青とは違う橙だ。

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