だから今度は、私がきみを救う番
「それから亜季ー! 来てくれてありがとな!」
「え!? 私!?」
「大好きだー! 冬休みは、俺が会いに行くからなー!」
そう言って原くんは顔を赤らめて、ちらっと私の方を見た。
不意打ちをくらった私は、身体が熱くなって動けずにいる。
でも、気持ちを返したいと思った。
「私も原くんが大好きー! また会いに来るからね!」
私が叫ぶと、原くんが私の方を向いた。
ぎゅっと抱き寄せられ、力を込められる。
周りにいる人たちがたくさん見ていたけれど、そんなのどうでも良かった。
「……俺さ、会いたくなったら海を見るから」
「うん」
「ラインも毎日送る」
「うん」
「来てくれて本当にありがとう」
「うん」
空には一番星が光っていた。私たちは日が暮れるまでそうして抱きしめ合って、ただ愛の言葉を囁き合った。
そのあとは病院に帰ってお説教をくらったんだけど。原くんはずっと笑ってた。
こうして、私の仙台への旅は終わりを告げた。