だから今度は、私がきみを救う番
◇
次の昼、新幹線のホームに立つ私の前には、原くんがいた。
お母さんは少し遠くから、私たちを見守ってくれている。
原くんは私の手をぎゅっと握って、言った。
「俺さ……、父ちゃんと母ちゃんと、ちゃんと話してみる」
「うん。きっと上手くいくよ」
「ありがとう。亜季のおかげだ」
原くんは、自分の気持ちをご両親に伝えると決めたらしい。
私も昨日、お母さんと少し話をした。
寂しかったこと、裏切られた気持ちだったこと、そして、また会えて嬉しかったことを。
お母さんはそっと私を抱きしめてくれた。
だからね、原くんもきっと上手くいくよ。
だってあなたは、優しい人だから。
「冬休み待ってるね」
「ああ。ラインも電話もするし、待ってて」
「うん。私もいっぱい連絡するね! ……それから、学校にもちゃんと行こうと思ってる」
「俺も! とりあえず髪は黒に戻すかな?」
「黒髪の原くん、超貴重! 写真送ってね」