だから今度は、私がきみを救う番
そこまで喋ったところで、新幹線がホームに到着した。

お母さんが駆け寄ってきて、見送ってくれる。

私は原くんと、そしてお母さんと握手して、新幹線に飛び乗った。



「バイバイ」



新幹線の扉が、プシューと音を立てて閉まる。

原くんが扉の向こうで、『好きだ』と口パクで動かした。

私はそれを見てふふふと笑う。



新幹線が少しずつ動きはじめて、あっという間に二人が見えなくなった。

私はこれから、ふたりが出会った街に帰る。
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