だから今度は、私がきみを救う番
そう言って原くんが手を握るから、私は汗ばんだ手でぎゅっと握り返した。
どきどきした。
原くんが、私を救ってくれるのかもしれない。
彼が私の世界を、虹色に照らしてくれるのかもしれない。
そんな自分勝手な期待を抱いてしまう私が憎たらしい。
「帰ろっか」
原くんがそう言うのを聞いて、空が薄い橙色に変わり始めていることに気がついた。
おばあちゃんの戻ってくる『五時まで』を気にしてくれてるんだな、と思った。
「うん」