だから今度は、私がきみを救う番
原くんって二人いるの?
「ただいま」
自宅の目の前で原くんとバイバイしたあと、ふたりで帰った余韻に浸る暇もなく、現実に引き戻された。
玄関に、数日ぶりに見るド派手なスニーカーが置いてあるのが目に入ったからだ。
濃いピンク色の靴紐が付けられた、ギラギラしたシルバーのスニーカー。
これは、お姉ちゃんの靴だ。
お姉ちゃんの高校で指定されているローファーは、何ヵ月も履かれた形跡がない。
私はリビングに入ると、靴の持ち主に話しかけた。
室内は冷房が効いていて、一歩踏み入るだけでひんやりとした空気が私の身体を包みこむ。
「お姉ちゃん、帰ってたの?」
「あー、おかえりぃ」