だから今度は、私がきみを救う番
「えっ、何でいんの」
「恵理……!」
お父さんがお姉ちゃんに近づいて、胸ぐらを掴む。
「やだキモイ! 触んないで」
「昨日までどこをほっつき歩いていた!?」
「どこだっていいでしょ!?」
「毎日家にきちんと帰って、学校に行きなさい」
「だから辞めるって言ってんじゃん」
また始まった。
お父さんとお姉ちゃんの言い合い。
これが始まると、私の胃腸は途端にきりきりと痛み始める。
これを聞きたくなくて、うちにいたくないって思う。
私がリビングの隅でお腹を押さえているのも気づかずに、二人の言い合いはますますヒートアップしていく。