だから今度は、私がきみを救う番



「えっ、何でいんの」

「恵理……!」



お父さんがお姉ちゃんに近づいて、胸ぐらを掴む。



「やだキモイ! 触んないで」

「昨日までどこをほっつき歩いていた!?」

「どこだっていいでしょ!?」

「毎日家にきちんと帰って、学校に行きなさい」

「だから辞めるって言ってんじゃん」



また始まった。

お父さんとお姉ちゃんの言い合い。



これが始まると、私の胃腸は途端にきりきりと痛み始める。

これを聞きたくなくて、うちにいたくないって思う。



私がリビングの隅でお腹を押さえているのも気づかずに、二人の言い合いはますますヒートアップしていく。


< 39 / 220 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop