だから今度は、私がきみを救う番
あさがお五組には私たちの他に一年生が二人と、三年生が一人いるはずだけど、
今週に入ってからは私と原くんの二人きり。
いや、先週もそうだったっけ。
一学期も終わりに近づいているというのに、そういう日ばかりが続く。
まるで、ふたりっきりのクラスメイト。
国数英理社、基本の五教科をこのあさがお五組で受けている私たちは、いつも揃って隣にいる。
「はーい、国語の授業を始めます。高屋さん、号令お願い」
教室に入ってきた山中先生の声に従って、私は「きりーつ」と小さく呟く。
どれだけ小さな声でも、教師ひとりと生徒ふたりの教室には響き渡るもので。
原くんがけだるそうに立ち上がるのを確認してからの「れい」。
そう小さくこぼしたら、原くんはぺこりと頭を下げて、それからまた机に突っ伏した。
一年生の頃は、こんなんじゃなかったんだ。
私も、原くんも。