だから今度は、私がきみを救う番
「あっ、来た来た! 高屋さん!」
教室に入ると、クラスメイトの佐々木さんが声をかけてきた。
女子の中でも一番目立つグループにいる、元気なタイプの子だ。
「ねえねえ、原と付き合ってるの?」
いきなり直球すぎる質問が降ってきて、私は固まってしまう。
頭からつま先までかあっと熱くなって、声を出すこともできない。
佐々木さんの隣には、テニス部で一緒だった優里が立っている。
彼女も興味深そうに、私の顔を覗き込んできた。
「えっと……」
「一緒に帰ってたよね!? それって、そういうこと!?」
優里が一気に距離を詰めてきて、そう問いかけてくる。
普段は話しかけてもこないくせに、こんな時だけ質問攻めだなんて。
なんかイヤだなあと思った。
優里なんて、私がテニス部を辞めてからも、わざとらしくテニスの話ばかりしてきてたくせに。
今は私をじっと見て、「どうなの?」なんて聞いてきている。
たぶん、優里と会話するのは二年生になってから二回目くらいだ。
「そーだよ」