だから今度は、私がきみを救う番
どうやらさっきの質問攻めを心配しているらしく、小笹さんは佐々木さんの方をちらりと見た。
「ああ、うん。大丈夫。ありがとね」
お礼を言ったところで担任の先生が教室へ入ってきて、ふたりは自分たちの席へと戻っていった。
心配してくれるのはありがたいけど、そういうのもいらないかな、と思ってしまう自分がいる。
あさがお学級では、他の女子と話すことがない。
それで十分だった。
友達なんか、いなくてもいい。
だって期待してしまえば、裏切られてしまうのだから。
テニス部の子たちは、私が部活を辞めるとわざとらしくテニスの話ばかりした。
一年生の時のあんなに仲が良かったクラスメイトだって、原くんが学校に来なくなったらバラバラになってしまった。
それに、お母さんだって。
私とお姉ちゃんを捨てて、どこかに消えてしまった。
きっと、私たちよりももっと大事なことがあるんだろう。
だから、期待するだけ無駄だし、裏切られた時がつらい。