だから今度は、私がきみを救う番
隣の席、原くんの揺れる金色を見る。
そこだけがこの窮屈な教室の中で、切り取られたみたいに綺麗に浮かびあがっている。
原くん。
原くんは、みんなとは違う気がした。
なんでか分からないけど。
単純に『好きだから』っていう理由なのかもしれないけど。
『高屋とは、運命共同体になれそうな気がするんだ』
そう言って笑ったきみは、私と同じ匂いがした。
「夏休みは三者面談があるからなー! 親御さんにプリント渡しとけよー」
担任がそう言って、みんなが「うえー」と不満を口にする。
隣をちらりと見ると、原くんはいつもの『不良の原くん』に戻っていた。