だから今度は、私がきみを救う番
「たーかや!」
さっきまでの『不良の原くん』はどこかに消えていて、『一年生の時と同じ原くん』が私のそばに寄ってきた。
「明後日から夏休みじゃん?」
「うん」
「花火大会、いっしょ行こう?」
そう言って笑う原くんの瞳は、子どものようにきらきらと輝いていて。
晴れた今日の空よりも、ずっと綺麗だった。
夏の匂いをつれた風が、教室に入ってくる。
原くんの金色はそれに揺られて、きらきらと光った。
「うん」
「高屋、浴衣着る?」
「うーん、どうしよっかな」
そう言って原くんを見上げたら、「見たいな」って、おねだりするような顔で言われた。