だから今度は、私がきみを救う番
青春っぽいこと、しよー
◇
あっという間に終業式の日が来た。
昨日質問攻めにあったことで、私は登校する意欲をなくしていた。
本当は休んでしまいたかったけど、家にいるのもイヤなのでなんとか学校に来たまでだ。
二年一組にも入りたくなかったけど、今日は午前中だけだから頑張った。
原くんが他の女子たちを睨んでいたおかげで、質問攻めにあうこともなかったんだけど。
今日はあさがお学級に行く予定はなく、ずっと二年一組だったからどっと疲れた。
夏服のセーラーの襟の上から、自分の肩をトントンと叩く。
半日だけだったのに、ずっと二年一組にいたからすっかり肩が凝っていた。
「たーかや、通知表見せて」
まだ他の生徒たちの通知表を配ってる途中だと言うのに、原くんはまた子犬のような顔で私の手元を覗き込んでくる。
「4、4、4、3、4……。高屋、結構頭いいんだね」
「あさがおでマンツーマンのようなもんだからだよ」
二年一組で受ける科目は先生がひとりに対し、生徒は三十六人いる。
けれどもあさがお五組では、先生ひとりに対して生徒がふたり。
その分しっかり見てもらえるので、基本の五教科はわりと頭に入りやすい。
「原くんは? 通知表」
「俺の見てもいいことないよ。2と3ばっか」
「寝てるからじゃなくて?」
「寝てるからだろうね」
寝てばかりいて『3』があるのはいい方だと思うけど。