だから今度は、私がきみを救う番
そうこうしている間に全員の通知表が配り終えられ、先生のうざったい話が始まった。
夏休みは計画的に勉強を進めること。
深夜徘徊や外泊はしないこと。
秩序を守って行動すること。
等々、休みの度に聞かされていることを喋り倒す先生。
耳にタコが出来そうになった頃にようやく解放されて、帰りの挨拶に入った。
「ではみんな、良い夏休みを!」
先生が去っていくのを見送ってから、机の中に忘れものがないかチェックした。
五教科の教科書はあさがお五組に置きっぱなしだったけど、昨日全部持ち帰ったから何も忘れてないはずだ。
クラスメイトたちが少しずつ散り散りになって、教室の中が静かになっていく。
結局昨日も原くんと寄り道して帰ったけど、今日はどうするのかな。
まだ十一時半だけど。