だから今度は、私がきみを救う番
ちらりと隣の席を見ると、原くんがじっとこちらを見つめていた。びっくりして身体が跳ねてしまう。



「高屋、今日お昼一緒ファミレス行こ」



そう言ってにやりと笑う原くん。

焦げ茶色の瞳がきらきらと光って、私を誘惑してくる。



この笑顔だけでドキッとしちゃうなんて、ずるいなぁ。



「いいよ。一回うちにカバン置いてからね」

「オッケー! 送ってく」



私たちの会話を聞いていたのか、佐々木さんや優里たちがこちらをちらちらと見ている。

それがなんだかうざったくて、「行こ」と私から彼の手を握った。



原くんの手は大きくて、それから熱くって。

握ってたら、こっちが蒸発しちゃいそうだなって思った。


< 52 / 220 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop