だから今度は、私がきみを救う番
「タッくん荷物置かせて~!」
原くんは靴を脱ぐと、勝手に部屋の奥へと上がっていった。
私はどうしていいか分からず、玄関にぼーっと突っ立っていることしか出来ない。
部屋は2DKのようで、玄関と繋がった台所と、奥に六畳ほどの部屋がふたつ並んでいるのが見えた。
そのひとつの部屋に、原くんが入っていく。
テレビの前で煙草を吸っていたひとりの少年が、原くんの方を見た。
原くんよりももっと抜けたような金髪で、耳にはいくつかピアスを付けている。
「おう、置いてけよ。彼女とデート?」
「えへへ、いーでしょ」
先輩と言っていた相手に、タメ口で話している原くん。
敬語、使わなくていいのかな。
こんな怖そうな人と仲がいいんだろうか。
部屋には他にも三人ほどの男女がくつろいでいて、どうやら溜まり場になっているらしかった。
ヤンチャしてる子たちって、居場所を求めて群がるって言ってたっけ。