だから今度は、私がきみを救う番



うちに帰ると、おばあちゃんが帰ってきていた。

お父さんはまだ帰ってきてないようで、ほっと胸を撫で下ろす。

原くんのことをお父さんに見られるのは、かなり恥ずかしい。

金髪だし。

原くんに何か言いそうだし。



どうかお父さんより先に原くんが来ますように。

そう願いながら玄関の前で待っていたら、遠くから金髪が見えた。

原くんだ。

彼は大きく手を振りながら、こちらに向かってきている。



「原くん!」

「高屋!」



私の姿を確認したのか、原くんはダッシュでこっちに走ってきた。

原くんも浴衣着るのかなってちょっと期待したんだけど、Tシャツにジーパンっていうかなり普通の格好。

でもカッコよくおしゃれに着こなしてて、私服を見るだけでドキドキした。


そういえば原くんの私服を見るのは、一年生の時のボーリング以来だっけ。

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