だから今度は、私がきみを救う番



私のツッコミに、原くんがふふっと笑う。

原くんから自分の話をしてくれるのなんて初めてで、それが嬉しくて自然と頬が緩んでしまう。



「お兄さん……、いるんだね」

「一応ね」

「原くんから自分のこと話してくれるの初めてだから、なんだか嬉しい」



そこまで話したところで、私の方の線香花火の粒がぽとりと落ちた。

原くんのまとめて点けた線香花火もしばらく燃えたあと、ぽとりと落ちて消えた。



終わった花火をバケツに放り込むと、どちらからともなく手を握り合った。

原くんは、手を繋ぐのが好き。

間違いない。


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