だから今度は、私がきみを救う番



「高屋……、じゃない。亜季の方が綺麗」



私の言葉に対する返事にしては、少し遅いその声が響いて。

彼の整った顔が近づいて、唇と唇が重なった。



ちゅっと音が鳴って一度離れ、また距離が縮まる。

ぐっと抱き寄せられて、もう一度ちゅっとキスをされた。



波の音が聞こえる。

ざあざあと、ただ海の声だけが聞こえる。

目と目が合って、もう一度目を瞑ったら、三回目の温もりが降ってきた。




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