だから今度は、私がきみを救う番
ねえ、原くん。
好きだよ。
私はきみのことが大好き。
ただ温もりを確かめ合うような行為を。
手を繋ぐことを。
唇を重ね合わせることを。
きみが求めるのなら、私は何度だって応えるよ。
だってここには、あったかいものがある。
「ねえ亜季は、俺とずっと一緒にいてくれる?」
「うん」
「急にいなくなったりしない?」
「うん」
彼の言葉に込められた意味も知らないまま、また唇を重ねた。
夏の夜の潮風が、ただふたりの髪を揺らしていた。