謎解きキッチンカー
思わず弱気になってしまったが、おいしそうだし安いんだからこれくらい待つのは当然だと思い直した。


食事系のものは買えないのだから、ここに並ぶしかないんだ。


そう思い、大またで列の最後尾へと向かった。


「クレープの最後尾はこうちらで~す!」


マルシェの関係者らしき人が《クレープ 最後尾》と書いてある看板を持って誘導している。


香織はそこに立った。

並んでいるのはほとんど大人の女性たちばかりで、最後尾に立つと前の様子はほとんどわからなくなってしまった。


列が少し進むにつれて、右に左に曲がっていく。


みんなちゃんと並んでいなくて、本当に大蛇みたいだ。
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