謎解きキッチンカー
香織の悲鳴みたいな声が暗闇に響き、次の瞬間には石段を転げ落ちていた。


五段ほど転がって下まで到着したものの、変な体勢で転がってしまい右足から落下してしまった。


「痛っ」


立ち上がろうとすると右ひざに激痛が走る。

香織は顔をしかめて一番下の石段に座り込んだ。


足を確認してみると随分と広範囲にすりむいていて血が流れ出している。


「どうしよう、これじゃ帰れない」


巾着からハンカチを取り出して血をぬぐう。


しかし、傷口は思ったよりも深くてなかなか血が止まらない。


ハンカチを傷口に押し当てていると、また涙が滲んできた。


私、なにしてるんだろう。
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