謎解きキッチンカー
何台か止まっていた車はなく、入り口のアーチもすでに撤去されている。


更に天候は悪くなり、雷の音が響いて香織は思わず身を縮めた。


それでもそんな香織に声をかけてくれる人はいない。


みんな片付けで忙しいのだ。


広間の外周に止まっていたキッチンカーも今は数台を残すのみになっている。


なんだか泣きそうな気持ちになってきたとき、「大丈夫?」と後ろから声をかけられた。


驚いて振り向くと、そこにはクレープ屋のお兄さんが立っていた。


「お兄さん……」
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