謎解きキッチンカー
もう少しだけ。


もう少しだけだから、一緒に探させてください。


そう言おうと思ったときだった。

香織の目に足跡が写った。


それは人間のものではなく、小さなケモノのものであるとすぐにわかった。


足跡は砂場から奥の林へと続いている。


香織はリリの手を握り締めてその後を追いかけた。


この辺は山が近いからどんな動物が出てきても不思議じゃない。


クマが出てくるときもあると、香織のお父さんは言っていた。


「あっ!!」


途中まで足跡を追いかけて行ったときだった。


不意にリリが香織の手を振りほどいて駆け出した。


「リリちゃん!?」


慌ててその後を追いかける。


「あった! ミミちゃんあった!」
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