謎解きキッチンカー
母親にそう言われて香織は満面の笑みで顔を上げた。


一人で高価なものを買いに行くという行為が、宿題に繋がった。


これなら気兼ねなく広間へ行くことができる。


香織はさっきまでの元気を取り戻して、バタバタと足音を鳴らして玄関へと走った。


「ちゃんと帽子をかぶっていくのよ?」


「はぁい!」


キッチンから聞こえてきた母親の声に靴を履きながら返事をし、そのままの勢いで玄関を飛び出した。
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