謎解きキッチンカー
他のキッチンカーと同じように、砂浜に旗を立てる。


コンクリートの上に立てるのとは違い、砂に直接突き刺すみたいだ。


風で倒れないように更に重石をくくりつけたら完成だ。


「旗、終わりました!」


「ありがとう。香織ちゃん、フルーツをカットしてみる?」


大きな鍋の中で生地を練りこんでいた藤田さんに言われ、香織は目を見開いた。


「私がカットしていいんですか!?」


「もちろん」


藤田さんはにこやかに言い、冷蔵庫の上に置いてある買い物袋を開けるように香りに言った。


中に入っていたのは子供用の包丁だったのだ。


柄はピンク色で、刃の部分にウサギのイラストが入っている。


素材はステンレスだ。


「これ、もしかして私のために……」
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