謎解きキッチンカー
「お化け?」


呟き、キッチンカーから降りて声の正体を探す。


見回してみると砂浜こちらへ走ってくるひとりの男の子がいた。


小学校低学年くらいの子で、香織より少し小さいみたいだ。


男の子は青い顔をしてしきにり「お化けが出た! お化けが僕のサンダルを盗んで行った!」と、繰り返している。


お化けがサンダルを盗んだ?


なんだそりゃと思いながら振り返ると、キッチンカーの窓から藤田さんが香織を見ていた。


「困っている人がいるみたいだね」


意味ありげな言葉を投げかけられて、香織は自分を指差した。


「あぁ。行っておいで、名探偵さん」


藤田さんにそういわれて香織は一瞬にして目を輝かせた。
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