謎解きキッチンカー
「これを持ってマルシェを回って、記入したら最後にこの箱に入れて帰ってね」


お姉さんはアンケート用紙一枚と、エンピツを香織に差出し、最後に手作りの箱を指差した。


その箱はクラスで作った投票箱に良く似ている。


「わかった」


香織はひとつうなづき、受付を抜けた。


そして、目の前に広がるキッチンカーの集まりに大きく目を見開く。


クレープにイチゴ飴にスムージー。


それにサンドイッチやカレーや焼き芋屋さんまで!


キッチンカーは広場に円を描くように並んでいて、中央は飲食できるスペースになっている。


あちこちからいい香りがしてきて食欲を刺激された香織はゴクリと唾を飲み込んだ。


お昼前でお腹が空いているから、ついカレーに引かれていってしまいそうになる。
< 7 / 138 >

この作品をシェア

pagetop