謎解きキッチンカー
「いるもん海坊主! 僕見たもん!」


岬くんがムキになって声を張り上げる。


いつの間にかクレープはきれいに平らげられている。


香織は岬くんの頬についた生クリームをティッシュで拭いてあげて「そうだよね」と、うなづいた。


「私、もう少し調べてみます。岬くん、海坊主を見たっていう場所まで案内してくれる?」


「うん!」


「二人とも気をつけて行くんだよ?」


「はい!」


香織は元気な声を残し、再び岬くんの手を引いて波間へと移動したのだった。
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