俺に着いて来い〜俺様御曹司は生涯の愛を誓う
「そろそろ仕事に行く時間ですよね」

「静香と喋ってると、あっと言う間に時間が過ぎちゃうな」

「本当に」

「じゃあ、行ってくるな、静香はおやすみだな」

「はい、行ってらっしゃい」

「わあっ、いいな、毎日言ってほしいな」

「それじゃ、電話切る時言いますね」

「そうじゃないよ、俺、静香にプロポーズしてるんだけど……」

「えっ?」

「じゃあ、行ってくるな、考えといてな、プロポーズの返事」

スマホは切れた。

真壁くんは次から次へと嬉しい言葉を言ってくれる。

私は本気にしちゃダメと自分に言い聞かせても、期待しちゃう自分が顔を出す。

会社を辞めて、アメリカ行って、真壁くんと結婚する。

まさかね、そんな夢みたいな事あるわけない。

しかし、そう思いながら、私は有給を取ってアメリカに行こうと身体が動いていた。

信じられない、私が真壁くんを追いかけてアメリカに行こうとしてるなんて。

私は来週から一週間有給を取る手続きをした。

「珍しいな、旅行か?」

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