俺に着いて来い〜俺様御曹司は生涯の愛を誓う

第六章 引き裂かれる想い

「社長、申し訳ありません、急に取引先の社長がお話したいと、連絡がありまして、ご都合はどうかと仰っているのですが、いかがでしょうか」

「明日じゃ駄目なのか」

「はい、しばらく時間が取れないとのことで、至急お話したい旨があるとのことです」

「わかった、これから伺いますと伝えてくれ」

「承知致しました」

この時静香が俺の「静香、仕事終わったら俺のマンションに行こう、飯一緒に食おうよ」
の言葉を微かな望みを期待して待ってくれていたことなど知る由もなかった。

同じ会社でいつでも会えると安易な考えだった。

私は終業時間になって、悩んでいた。

真壁くんは仕事が終わったら迎えに来てくれるのだろうか。

そんなことを考えていると、後輩の恵美ちゃんが声をかけて来た。

「静香先輩、ご飯行きませんか」

「そうだね、でも約束があるから今度誘って」

「そうですか、真壁社長と約束ですか」

「うん、でもわからないけど……」

「じゃあ、今度行きましょうね、お先に失礼します」

「お疲れ様」