帰らないで
『今日、バイトはお休みかしら?』
週に1、2回だけだ。
朱音さんが会いに来てくれるのは。
「ないよ。」
朱音さんは小さな出版社で働き
旦那さんは親会社で
結構大きな会社に勤務しているらしい。
大忙しの旦那さんの帰りが遅い日は突然やって来る。
俺は急いでバイトを後輩に変わってもらって
部屋を綺麗に掃除する。
旦那さんは34歳で
朱音さんとは7歳も離れてる。
『25を過ぎると7歳くらい変わらないよ。』
と
朱音さんは小さく笑った。
子供扱いされたようで少し腹が立ったけど
朱音さんより8歳年下な俺には
納得したという他なかった。