吐息ごと奪ってよ
しばらくしてインターホンが鳴る。


ウキウキしながら玄関へ駆け寄るひーくんの後ろ姿


そして、爽やかなイケメンが顔を出す。


「はじめまして、吉住です。急にお邪魔してすみません」


「いえ。はじめまして、松井です。ひーくんがいつもお世話になってます」


「やあーねー、彩花ったら、保護者みたい」


ひーくんにしてみれば、挨拶の仕方が保護者みたいに思ったんだろうけど、その保護者という言葉は私の中に重く深く堕ちていった。


可能性は0%


改めてその現実を突き付けられた瞬間でもあった。



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