吐息ごと奪ってよ
私はなにを見せられているんだろう


なぜ、私はここにいるんだろう


目の前で身体を寄せ合い、いちゃつく二人。


地獄のような時間。


確かに吉住さんはいい人かもしれない。

ひーくんの言う通り、仲良くなれると思う。


こんな出会い方でなければ。


今、彼は単なるライバルでしかない。

イライラ、ぐちゃぐちゃな感情を押し殺すのに必死だ。


「ごめん、私そろそろ眠くなったから、先に休むね。」


「あ、じゃあそろそろ帰ります。」


「いえ、私のことはお構い無く、ゆっくりしてて下さい。」


「でも、、、」


「本当に。ひーくんのこんな楽しそうな顔、久しぶりに見たんです。だから、吉住さん、ひーくんをよろしくお願いします」



私の言葉に、ふたりは少し照れたように見つめ合った。


これでいい

< 18 / 30 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop