吐息ごと奪ってよ
「あの、色々ありがとうございました。この着替えも。」


「いえ、仮眠室をどうぞ。私は隣の応接室にいますから。」


「、、、これ、この服って、、、」


若干の大きさに違いはあるものの、明らかに女性のもの。

こんな時間に開いてる店はないし。


「あー、それは所長の奥さんので。奥さんもこの事務所で働いてるんですよ。大丈夫です、明日事情は話しますので、お気になさらず。」


「そう、ですか。では、お言葉に甘えて、、、」


「はい、おやすみなさい。」

「おやすみなさい」



仮眠室に入り、ベッドに横になった。


今日1日で色んなことがありすぎて


そういえば携帯


―不在着信5件、新着LINE10件―


悲しくもそれの全部黒辻穂高だけ。

ひーくんのは一つもなかった。


私が居ないことにも気づかないくらい夢中だった?


「うっ、、」





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